12月25日

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             12月25日。

            今日はクリスマスです。



          そして、私の実母の誕生日であり、命日でもあります。



クリスマスに生まれ、クリスマスに亡くなった母は、47歳でした。 昭和44年のことです。

私は12歳、弟は10歳でした。

朝、病院からの電話を受けとるや、父は私と弟に病院まで走るようにと言いました。

私たちは、朝食を放り出し、スリッパ履きで走りました。

全速力で走りました。

途中で弟のスリッパが脱げ、待って!と私を見た表情を、まだ覚えています。


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あれから40年。

本当に色々なことが有り、私も弟も、可愛くもない中年人間になってしまいましたが、

私の中には、あの日、あの朝、永遠に止まってしまった何かが、未だに変わらず潜んでいます。

それは、母の命が消えるとともに止まってしまった古い時計のようでもあり、

ぽっかりとあいた穴を、呆然と見下ろしている自分でもあります。



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私と弟の受けた深い傷は、消えることのない傷跡となって残り、

いつもこの日には、私たちの心に、変わらない鮮明さで思い出を蘇らせてくれます。


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