凍てつく寒さの北京より
北京に着いて4日目ですが、確かに底冷えのする寒さです。
かなりの重装備で外に出ても、10分もすれば体の芯からじんじんと冷えが廻ってきます。
それでも、この街が今、どれほど沸騰しているかを感じない人は居ないでしょう。
13年前に初めて訪れた時の、どうしようもない混沌さは薄れましたが、
一歩でも先に出たいと云う人間たちの摩擦が生む大都会の揺すぶりが、
空港に降り立ったとたんに、厚い靴底の下からも、電気のように伝わってきます。
もう、これで中国は何度目になるのか、数えることもヤメてしまいましたから、
ゆうに二桁になるのでしょうが、オリンピック後は初めて。
その発展ぶりも、汚染のひどさも、聞きしに及ぶ通りですが、
それでも尚、街のあちこちに残る「中国」が、私は好きです。
ここで生まれた訳でもないのに、初めて来た時から懐かしさを感じるというのは、
日本文化のルーツを感じとっているのか、
戦時に、ここで2年半も過ごした父の話を、頭の中のどこかで目で見るものと重複させているのか・・・・・
中国の奥底深い文化と、それとは相反した驚くばかりに赤裸々な人間度が、
表面を繕い、文明を誇らしげに装う社会に親しんだ私の目には、
ひどく新鮮であります。
そして、こちらも中国。
オリンピックの "BIRD NEST" で有名なアイ・ウェイウェイがデザインしたギャラリー集合です。
ドイツか北欧の近代建築にも似た、重く冷えたラインの建物群。
昔、アメリカに紹介したアーティストが、ソロのショーをしているというので訪ねてみました。
思った以上に温かい出迎えを受け、アメリカやヨーロッパの知己にも出会うなど、
「ハプニング」な北京のアートシーンです。
日本人のアーティストや建築家、また、その関係者も多く、北京のセントラル度が伺い知れます。
スタジオのひとつに広がる会田誠さんが製作中の作品。
ブローアップされた一万円札が並ぶシートの上に、サイケデリックな色が踊ります。
これから、北京郊外の万里の長城近くに出来た、「コミューン」というプロジェクトを見に行きます。
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