パインバレーのお皿
夫婦で食器や家具を揃える時、結構ハイテンションになるものですよね。
毎日使うものであり、それからの屋内の環境をセットしてしまうものだから、
趣味が合わなかったり、生活への期待感がちがっていたりすると、
たちまち険悪なムードに突入してしまいます。
うちは家具屋ですから、ご夫婦のそう云うシーンが展開されるのは日常茶飯らしく、
スタッフからよく事の顛末を聞かされたものでした。
中には高名なご夫婦の場合もあったりして、
そんな時には、間に入るスタッフもホトホト困り果てる様子でした。
その次にご来店の時には、すでに結婚相手が変っているというケースもあったようです。
こういう場面で激しくにぶつかるご夫婦というのは、
そもそも普段の生活の底辺にそぐわないものがある場合が多くて、
ちょうど火山が爆発するのごとく、ここぞと煮え立ったマグマが噴き出すようですね。
ソファ-やお皿のせいではないんですよね、実は。
人間だから、少々の趣味や嗜好はちがって当たり前。
まして、結婚前にはちがった家庭で育っている男女(ほとんどの場合)ですから、
どこまで快く妥協できるか、どこにそれぞれの優先事項を持って来るか・・・
てなところでなんとかやって行く訳ですが。
幸い、私たち夫婦は、環境設定に関してはそれほどぶつかる事がありません。
夫の専門分野だという事もあって、私自身が一歩引いているところもあるけれど、
大まかな嗜好は合っているし、どちらもそれほどインテンスにこだわらないせいか、
ブラブラ買い物を楽しむ事は、格好の気分転換でもあります。
そうやって買い集めたものは、旅の良い思い出になったりするので、
いつ見ても、優しい愛着を感じます。(誤解無きよう!もちろんケンカはします、派手に。)
パインバレーのお皿はすべてニュージーランド製で、
ここからそう遠くないグレイ・リンという所で、60~70年代に作られたものです。
ここで育った人達には馴染み深いものらしく、誰々ちゃん家は何模様、
誰それ君家は何模様と、決まっていたものらしいです。
今はちょっとしたコレクターズアイテムになっていて、
私たちは全部ちがった模様のお皿を使うことにしました。
毎日、ちがうお皿で気分を変えるのもいいものですよ。
たまに娘と取り合いになりますが。
***