日常2
こんなタイトルでは、半年も古いブログかと思われてしまいそうですね。
地球ではマイナー族の我ら南半球市民ですが、
これはこれで、なかなか良いものですよ、さかさま生活。
もうすぐ夏と云っても、気温は一日のうちに16度~23度くらいをさまよいます。
日ざしはキツくなってきましたから、UV対策は絶対必要。
上は、先週末にあった、娘のオーケストラの野外コンサートのもようです。
「白い雲のたなびく国」と云う名前のとおり、青い空に雲が美しい午後でした。
日曜日の朝ごはん。夫が居ないと肉っ気がありません。
夫は、先週の火曜にアメリカへ帰って行きました。
居住権が取れたということは、夫もこの先2年、
年に50%以上の時間をニュージーランドで過ごさなければなりません。
これからはニュージーランドが本拠になるのですから、
私たちの生活も変ることになります。
その手始めとして、サンフランシスコの家の売却を決めましたが、
今度は、メインの家具のビジネスも閉めることにしました。
娘の美しいバイオリンの先生にいただいた生チョコレート。お手製だそうです。コアントローが効いていて美味でした。
夫は、30年間、この家具の仕事に打ち込んできました。
働き者で、がんばり屋さんですから、それはそれは精魂込めて育てて来た事業です。
「三度の飯よりも好き」という日本語の言い回しがぴったり来るくらい、
この仕事に情熱を持っていた人ですが、
この6~7年、大きくし過ぎたせいか、目標が見えなくなっていた感があります。
また、即効性を求める現代の消費者、一ドルでも安く買おうと云うネット消費者との
すれちがいも生じていたのかと思います。
つまらなそうな、疲れたような顔をして帰って来ることが多くなっていました。
恵里さんにいただいた手作りパン。今度はトマト入りです。丸くてフカフカで、美味しくいただきました。
他にもいくつかのプロジェクトを抱えているので、
まるっきりアメリカを後にすることはできないのですが、
この会社を閉めるということは、夫にとっては人生の大きな節目だと思います。
庭の採りたての野菜を使った簡単サラダ。ドレッシングはオリーブオイルとレモンだけ。もちろん塩こしょうも。
もうかなり昔,父が会社をクローズして、その建物を売ったことがありました。
私はまだアメリカで学生だったか、仕事をはじめたばかりの頃だったか、
よく覚えていませんが、
とにかくその時期に帰国した際、
継母が父の気持ちを大変気遣って、心を痛めていたのを覚えています。
「戦後どんなにか苦労なさって建てられた会社でしょうに、
所詮建物だっておっしゃるけど、さぞお辛いだろうなぁと思って・・・」
と、まるでメロドラマの台詞のようなことを言っていました。
恵里さんの最新作、ストロベリーケーキ。こちらは、夏がイチゴの季節です。
フンと鼻を鳴らすほどにも感じていなかった当時の私ですが、
あの台詞だけは、何故かいつも頭の端の方にこびりついて引っ掛かっていて、
今になって、我が夫が同じような舞台に躍り出て初めて、
父の気持ち、そしてそれを思いやる母の気持ちが、生で感じられるようになりました。
夫はアメリカ人ですから、ましてや戦後の苦しい時代に生きた訳でもなく、
アメリカが最も豊かだったと云われる50年代に、ベビーブーマーとして生まれ、
「好きなことを仕事にする」という贅沢を、人間の当然の権利だと思っているくらいだから、
父の場合のような、時代に揉まれ翻弄された人間の悲哀みたいな、
そんな大袈裟な、湿ったものはありません。
でも、こんな人生の節目、大きな幕が降りようとしている時に、
一緒に居てあげられないのは、とても残念です。
娘が習って来た砂糖菓子のバラです。子供は手も小さいし、粘土細工で慣れているのか、上手ですよね、結構。
なんだか、「もうすぐ夏休み」と云う軽いタイトルから程遠いお話しになってしまいましたが、
そんなことを思いながら、家事や畑仕事をしている今日この頃です。
娘は、今朝2泊3日の音楽キャンプに出かけて行きました。
私は本当に珍しく、この家にひとりきり。
ちょっと気持ちにスペースができて、遠い夫を思いやる気になったのでしょうかね。
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